学校に行ったり、遊びに行ったり……親の目が子供に及ばなくなって心配することの1つが不審者の存在です。不審者情報はとどまることを知らないし、行方不明や事件のニュースを耳にすることも多く不安になりますよね。
不審者から身を守るために子供が持てる武器といえば防犯ブザーですが、不審者対策としてなんとなく持たせているだけという方も実際は多くいるのではないでしょうか。防犯ブザーは役に立つのだろうか?持たせても意味ないのでは?と……。
たしかに防犯ブザーをただ持たせるだけでは、その役目をしっかり果たすことはできません。
しかし防犯ブザーは正しく選び・使えばちゃんと不審者対策になり、子供を守ることができる立派な武器となります。ここでは防犯ブザーの能力を最大に発揮するための正しい選び方・使い方をご紹介します。
目次
防犯ブザーの選び方
音が大きいもの
当然ですが、音が大きいものでなければ意味がないです。
防犯ブザーの音には、自分の代わりに周囲に危険・助けを知らせる役目と、不審者をひるませる役目があります。
元々声が小さい子もいますし、不審者に遭遇すれば恐怖で声が出ないこともあります。「自分は叫んで助けを求められるよ!」といっても、口を塞がれるとか首を絞められるとか、手を出され声が出せない状況も考えると、防犯ブザーの価値は高いです。
大きさの基準は85デシベル以上の大音量のものを選んでください。
表記だけではなく実際に音を確認して購入しましょう。人間の耳にブザーの音として認識しやすいものが良いです。実際にブザーを鳴らしても、「鳥が鳴いているのかと思った。」などと周囲に認識されてしまっては役に立ちません。
防犯ブザーの音の種類には、「助けてー!」など人の声が収録されたものもあります。人の声のほうが周囲への危険を知らせる認識性も高く、不審者の犯行も中断させやすいかと思います。ただ機械的な声となるので、実際聞いてみて聴認性の良い物を選ぶと良いでしょう。
丈夫なもの
安物になると、落としただけで壊れてしまうものもあります。
かばんにつけておくと、かばんを投げたりロッカーに入れたりと衝撃がよく加わります。子供が使うということを考えても、落としたり雑に扱っても壊れない頑丈な防犯ブザーを選んでください。
また遊びで水に濡れたり、雨に降られることを考えると防水・防滴仕様のものが良いでしょう。
目立つもの
防犯ブザーはつけているだけでも不審者対策になります。防犯ブザーを持っているぞ、とアピールすることで、不審者を遠ざけることが出来るのです。
ですので色やデザインなど、かばんに付けたときに目立つものを選びましょう。子供が目立たないものを選ぶかもしれませんが、防犯ブザー選びの重要な点ですので、やはり目立つものを選んだほうが良いですね。
防犯ブザーの使い方~家庭編~
防犯ブザーをかばんに付けた、持たせただけでは役に立ちません。まずは、家で次のような確認をしましょう。
取り付ける位置
私が子供の頃はランドセルや通学かばんの横につけていましたが、それではいざというときに手が届きません。かばんの取っ手の肩や胸の部分に付けましょう。
ブザーの位置が高すぎても低すぎても引っ張りづらいです。右手でも左手でも引っ張りやすい位置に調節してください。
引っ張るピンも、そのままだと短すぎてすぐに引けないということがあります。引っ張りやすい長さの紐を付けるなどして、いざというときにブザーを鳴らせるようにしましょう。
ちなみに、防犯ブザーを首から掛けるのはNG。首を絞め(られ)てしまい窒息に至るおそれがあり危険です。
シュミレーションをする
これ、大事です!
実際に不審者に遭遇したときに行動が出来るよう、家でシュミレーションをしておきましょう。
「不審者に遭ったら防犯ブザーを鳴らすんだよ。」というだけでは実際行動に移せなかったり、危険な状況においても“鳴らすの恥ずかしいな”などと思ってしまったりして、ブザーを鳴らすことが出来ない子は多いです。
親が不審者役となって、色々な状況をシュミレーションしてみます。
声を掛ける、腕を引っ張る、後ろから体を抑えこむ……などなど。そのときに防犯ブザーは引っ張れるのか、位置の確認も出来ます。
親とこのようなシュミレーションをし不審者対策について話し合うことで、実際の場面においても臆することなく防犯ブザーを使うことが出来るようになるのです。
防犯ブザーの使い方~実践編~
実際に子供が防犯ブザーを使うときに行いたいことです。ぜひお子さんと確認してください。
紐を持っておく
シュミレーションを行うと分かるかと思いますが、いざというときにとっさにブザーを鳴らすことは実際難しいことです。
・人通りが少ない
・暗い
・後ろから人が歩いてくる
・周囲に(あやしい)人がいる
という時は、何もなくてもブザーの紐を持って鳴らせる準備をしておきましょう。防犯ブザーを持っているというアピールにもなります。
私は大人ですが、今でも1人で歩くときは何だか怖いな~と思って周囲をキョロキョロしながら歩いてしまいます(私のほうが不審者と言われてしまったらどうしよう)。
しかし周囲に注意して歩くことは大事なことです。このご時世、脳天気に歩いていてはいけません。下を向いて歩く、携帯電話や本を見ながら歩く、音楽を聞きながら歩くなど注意力が散漫する歩き方はやめましょう。不審者の標的にされやすいですし、事故も防げません。
防犯ブザーは投げる
「防犯ブザーは投げる」というのは、私も子供の頃は知らない使い方でした。
発信源を投げてしまえば不審者の注意は音の方に行きます。鳴らしたままでは不審者も怯みますので、止めに行ったり、隙を見せたりするでしょう。その間に子供が逃げる時間が出来ます。
また、考えてみると発信源が子供にあるというのは危険なことですよね。音に反応して退散してくれれば良いのですが、止めようとして向かって来ることも考えられます。やはり投げるというのが最良な使い方と言えそうです。
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不審者から子供を守るために確認しておきたい防犯ブザーの選び方・使い方いかがでしたでしょうか。ただ持たせるだけでなく、上記のような選び方・使い方すれば防犯ブザーは子供を守る立派な武器となります。
いま一度、防犯ブザーや不審者対策について子どもと確認してみてください。
また、壊れていた・電池切れなどでいざというときに音がならない・音が小さいということがあります。月に一度、防犯ブザーの使い方とともに動作の確認をするようにしましょうね。